チャーム・ケア・コーポレーション(6062)

f:id:IsThisAPen:20210801215222p:plain
株式会社 チャーム・ケア・コーポレーションについてまとめています.
2021.08.06:2021年6月期 決算発表がありました.

チャートを見返してみると,毎年8月(本決算発表後?)が強いです.

業績

  • 売上高:2015年〜【20%成長】
  • 売上営業利益率:8.77%(2021.06)→9.77%(2022.06予)
(参考:チャーム・ケア・コーポレーション(チャームケア)【6062】の業績・財務推移[通期・半期・四半期]|株探(かぶたん)

セグメント別売上

〜2020年6月期は「介護事業」の単一セグメント.
2021 年6月期 通期決算説明資料:2022年6月期より「 (※) 収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)が適用となり、会計上の売上高及び利益の数字がそれまでより先送りされる形になる.
(※) 主な影響:入居一時金の初期償却について、返金義務がなくなることをもって収益認識している場合に、当該会計基準の適用により、返金義務の有無にかかわらず、合理的な期間(当社は5年)を見積り、その一定の期間にわたり認識することとなる。

【結論】
定性的には,高齢化社会・富裕層を狙ったビジネスは良いと思う.国策などでお金が流れてきたりしないかな,という妄想もできる.

2024までは,中期経営計画が達成できそうな限り買って行きたい.期待PERがそのままで,利益倍になればざっくり株価が倍になると考えられる.コロナが収まってくれば,株価も伸びやすくなりそう.
※ 2021 年6月期 の決算発表(2021.08.06)で,2023/6期の目標が凄いことになっているので,これが達成できるかが大きなポイントになりそう.

将来,不動産の割合が大きくなってくると,ほかの不動産業のように期待PERが低くなる可能性がありそう.

決算

2021.06-4Q

2021.08.06: 2021 年6月期 通期決算説明資料
p.3: 希望者の2回目のワクチン接種がほぼ完了したことから,コロナによるリスクはかなり下がったように思う.Zoomなどオンラインによる営業活動を始めたことも好感できる.p.31 のように,IT化の促進を考えている姿勢もよい.

p.18: 2022年6月期業績予想

【2022年6月期業績予想】

売上高:収益認識に関する会計基準の適用により、介護事業の売上の一部の計上が先送りとなるも増収を見込む
営業・経常利益:前期、コロナかかり増し経費により営業利益が下押しされた分、当期の増加率UP。ヘルスケア・デベロップメント事業の寄与もあり営業利益・経常利益ともに大幅増益予定
純利益:自社保有物件(固定資産)の売却を進めアセットライト経営を志向することにより3桁台の大幅増益を予定。

出典:2021 年6月期決算の補足説明について

pp. 27-28: 「創業期(2005年~2020年6月期)から成長期(2021年6月期~)に移行」,「指標目標 : 経常利益成長率30%、売上高成長率20%、売上高経常利益率10%」に注目したい.p.28を見ると,連結経常利益の2021→2022は25%成長・2021→2023は66%成長,連結売上高の2021→2022は31%成長・2021→2023は32%成長なので,直近はこれより高い目標.

2021.08.06: 2021 年6月期決算の補足説明について
前回の決算で質問が多かったことを受けて,今回は決算発表と同時に補足資料を公開している(←好感できる).今回も,営業利益ではなく経常利益を見ればOK.

P/L:補助金収入3.3億円が営業外収益に計上されている.

経常利益については業績予想を 6.9%上回っており、また、売上高経常利益率は前期より 1.3pt.増加しております。さらに、当期純利益についても業績予想を 10.2%上回り、伸び率も前期の比率よりも 12.8pt.高くなっております。

出典:2021 年6月期決算の補足説明について

2021.06-3Q

2021.05.11: 2021 年6月期第3四半期決算説明資料の追加説明に関するお知らせ
(前年同期比)営業利益の伸び率低下の要因は,新型コロナウイルス感染症関連の経費(かかり増し経費←売上原価)で一過性.かかり増し経費の補助金を受給しているが,これは営業外収益で計上しているため,経常利益の伸び率で比較すべき.←営業利益の伸び率ほど下がってはいないのでOK.利益率も,営業利益ではなく,経常利益で見れば改善.

P/L:補助金収入2.9億円

2021年6月期 3Q決算説明資料
【中期経営計画】
2024.6:連結売上高500億円(2021.6(予):240億円),運営数100ホーム(2021.6(予):64ホーム)
指標目標:経常利益成長率30%,売上高成長率20%,売上高経常利益率10%

新たな事業の開始に関するお知らせ
不動産(土地及び建物)を開発し、Reitなどの投資会社等に当該不動産を売却することによる収益事業.2022 年6月期が事業開始時期.、2022 年6月期以降は、当社グループの業績向上・成長に資する.

その他

運営ホームについて

  • 運営ホームの9割以上が「介護付有料老人ホーム」
    • 高い参入障壁(新規開設に当たっては各自治体の公募に対して採択される必要あり)
    • 住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅と比べて収益が見込みやすい(介護報酬は入居者の要介護度に応じて一定額が定まっている)
  • 全59ホーム中13物件が自社所有物件(2020年8月1日時点)
    • 賃借物件と比較して収益が見込みやすい
    • ヘルスケアREIT等からの購入引き合いは強いが,現時点では保有を継続.

備考

良い点

高い利益率を見込める領域(「介護付有料老人ホーム」,「富裕層向け」)に経営資源を集中しています.入居率は業界トップレベル(2020年:96.9%)であり,この領域の需要も高いことがわかります.利益率を活かして社員の処遇(給与,福利厚生)を業界トップレベルに引き上げ,人材の確保を目指しています.

高齢化社会に不可欠な「介護」.その中でも,利益率が高く需要も見込める領域に集中投資する戦略をとっているこの企業はまだまだ成長の余地がありそうです.

気になる点

新規事業(グッドパートナーズなど)の業績目標をみると,他に比べて利益率が低めなことが気になりました(2021年6月期以降の連結業績に寄与).不動産事業も,介護事業よりは利益率が低いようです.ただ,現状では利益率に与える影響は「本社の経費」が大きいようなので,今後経費を圧縮できるのかに注目したいです.(参考:2020年6月期通期決算説明資料 pp. 27-28)

また,2020/5/12付でシップヘルスケアホールディングス株式会社と業務提携契約の締結をしています.これに伴い,チャーム・ケア・コーポレーションはシップヘルスケアホールディングスの持分法適用関連会社となりました(普通株式960万株(2020年6月末時点での議決権比率:29.44%)を所有する株式会社エス・ティー・ケーの発行済株式のすべてを2020年5月18日付で取得し100%子会社化).

インタビュー動画

2018年03月09日付でジャスダック市場から東証2部へ市場変更

ストックボイス:VIDEO STOCKS

  • 国の財政(介護保険の縮小)に影響されない経営を目指す.
    • 富裕層向けの高価格帯のホーム(チャームプレミア)を主ターゲットにしていく
  • 2015/6期の経常利益が落ち込んでいる理由
    • 首都圏進出による経費が原因.
    • 有料老人ホームはオープン前費用が数千万円必要となり,1年目は必ず赤字になる.
  • 強み:利益率の高さ
    • 最も収益の上がりやすい「介護付有料老人ホーム」に特化した経営をしている.
      • ホームに入居してもらえれば,サービスによらず100%の介護保険を請求できる.
    • 首都圏と近畿圏に集中している「ドミナント戦略」.
      • スタッフの雇用,入居場所の面で融通がきく.
    • 入居率の高さ(97%)


ダイワインターネットTV(2018年6月8日収録)

  • 「介護付有料老人ホーム」について
    • 25種類に分類される介護事業のうちの1つ.
    • 最も売上収益が上がるビジネスモデル.
    • 行政(市町村・都道府県)の認可が必要.
  • 「チャームプレミア」について
    • 介護保険以上のサービスを望んでいる,富裕層向けの老人ホーム.
    • コンシェルジュ,ホテルのような食事,自分にあったリハビリ
  • 将来性
    • 2060年まで介護の必要な人が増えていくため,今後40年以上成長が見込める.
    • 高齢者が毎日生きがいを持って過ごせるようなサポートを今後目指していく.