株に興味がある人にオススメの映画を紹介します.
マネー・ショート華麗なる大逆転(原題: The Big Short)
リーマン・ショック前に高騰していた住宅価格がバブルであることを察し,空売りを仕掛ける4人を描いた映画です.ノンフィクション小説が原作です(後述).投資において,自分の考えの正しさを信じ,それが起こるまで待ち続けることの難しさがわかる映画です.
2017年にノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラーが本人役として出演し,解説をしていることにも注目です.
空売りをした4人をあざ笑うかのように,住宅価格は上昇を続けます.膨らみ続ける損失に疲弊し,「間違っているのは自分の方ではないか」と疑心暗鬼になってしまいます.
突如,村上春樹から以下が引用されます:
“Everyone, deep in their hearts, is waiting for the end of the world to come.”
― Haruki Murakami, 1Q84
その後のシーンから,バブルの崩壊が始まります.
難しい金融用語(CDOs, CDS)も出てきます.一応は,たとえ話やジェンガを用いてわかりやすく(?)解説してくれますが,一度で全てを理解するのは難しいでしょう.この映画では,よくわからない部分は飛ばしてしまいましょう!ストーリー自体はわかりやすく,金融用語がわからないと楽しめないなんてことはありません.
原作はマイケル・ルイスのノンフィクション「世紀の空売り―世界経済の破綻に賭けた男たち 」です.映画を見て興味が湧いた方はこちらもどうぞ:
- 作者:マイケル・ルイス
- 発売日: 2013/03/08
- メディア: 文庫
The Big Short: Inside the Doomsday Machine
- 作者:Lewis, Michael
- 発売日: 2011/02/01
- メディア: ペーパーバック
インサイド・ジョブ(原題: Inside Job)
リーマン・ショックについて,専門家・関係者へのインタビュー形で構成されたドキュメンタリー映画です.第83回アカデミー賞において長編ドキュメンタリー映画賞を受賞しました.
とにかく内容が盛りだくさんですが,思わず見入ってしまいます.インタビュー中に取り乱す人や,怒り出したりする人がいるほど,突っ込んだ内容を探っています.
取材拒否をする人も多かったようです.2006〜2014年にFRB議長を務めていたB・バーナンキもその一人ですが,最近以下のような記事を見つけました:
www.bloomberg.co.jp
一連のインタビューを通じて,金融危機の全貌を解説するとともに,危険な金融商品を売りつけていた金融関係者を痛烈に批判する内容になっています.
ちなみに,OPの映像がとてもキレイです.ぜひ視聴してみてください.